IT企業に勤めていると、よく他社ベンチマークをすることがあります。
他社ベンチマークとは、自社製品と他社製品を比較する手法です。
簡単に言うと、他社の良い感じの製品を研究して自社製品に活かそうぜ、という活動のことです。
筆者は勤めている企業で、あるベンチマークプロジェクトのリーダーをしたことがあります。
その際に感じたことは、

です。
なので記事では、日系大手のIT企業に勤める筆者が、
企業において他社ベンチマークを効率良く進めるためのコツを紹介します。
ベンチマークの目的は〇〇
一般的にベンチマーク のイメージでいうと、

上記でも間違ってはないですが、正確には違います。
ずばりベンチマークの目的はあくまでも、今後の方針の参考にするかもです。
つまり、その一所懸命作ったレポートは1回目を通して、フォルダの底に沈んでしまう可能性があるということです。
筆者は1ヶ月缶詰めで作成したベンチマークレポートを上司に発表した後、
「おお〜いいね〜、参考にするよ、」で終わったこともあります。
悲観的に見えるかもしれませんが、これが現実です。
正直、モチベーションを保つのは難しいです
見られないかもしれないレポートを作るのは苦痛です。余程ベンチマーク対象に興味があるなら別ですが、、、
しかも、ベンチマーク対象によっては1年単位のプロジェクトになったりします。
1年間、自社・他社製品について調べ尽くし、上司にレビューをもらい、修正を繰り返します。
上記の通り、かなり体力も使い、成果物となるかも微妙です。
なので、コツを抑えてサクッと片付けてしまいましょう。
やりがちなミス4選
- 決定者が誰かわかっていない
- アウトラインを確認しない
- フォーマットを準備しない
- 人を巻き込んでいない
上記解説していきます。
決定者が誰かわかっていない
決定者とは、レポートの合否を決める人物のことです。
他全員がOKを出しても、決済者がNGであれば、そのレポートは価値の無いものになります。
なので、一番重要なことは決済者を抑えておくことです。
決済者が求めていることや、納期感を把握するために、蜜にコミュニケーションをとる必要があります。
アウトラインを確認しない
次によくあるミスがアウトラインを確認しないということです。
アウトラインとは、大体の方向性を示したものです。

上記のような、ざっくりとした方向性を先に決済者に確認しておきます。
「方向性を合わせるために、定期的にアウトラインの確認をさせてください。」と先に手を打っておくことが重要。
アウトラインを確認しないと、大きな時間のロスが発生します。
一生懸命資料を作っても、決済者に「方向性が違うよ、作り直して」と言われ絶望します。
なので、アウトラインを何度も確認して、方向性を合わせることが重要です。
アウトラインは以下のことを確認しておくのがオススメです。
- 章立て
- 比較ポイント
- 強調したいポイント
- 納期
- レポートの形式(Word, パワポ 、、、)
フォーマットを準備しない
これもよくあるミスです。
自分で1からフォーマットを作ろうとすると必ず失敗します。
社内で統一されたフォーマットがあるはずなので、それに従いましょう。
フォーマットが無いなら、過去のレポートを参考にして、以下の項目をマルパクリしましょう。
- フォント
- フォントサイズ
- 色使い
- 社内用語
特に、複数人でレポートを作成する場合は、上記項目が驚くほどバラバラになるので、事前に統一することが必須です。
人を巻き込んでいない
これができると、作業がグッと楽になり、レポートの質も格段に上がります。
具体的にやることは以下の2つです
- わからない時に相談できる人を確保する
- 作業を手伝ってくれる人を確保する
特に手伝ってくれる人を確保できると、圧倒的に楽になります。
人員を確保する際は、前述の決済者に依頼するのがベストです。


というように、人員を確保する際は、
関わる人全員のメリットを提示することが重要です。
自分の意見を取り入れて、評価されるレポートに
上記のミスを防げば、合格点のレポートはできます。
さらに、成果物としての評価を高くしたいのであれば、自分独自の意見を取り入れることがオススメです。
また、意見を取り入れる際は、WHOを意識することが重要です。

といった感じで、WHO=「誰に」という視点を入れることが重要です。
WHOが無いと、「この機能はダメ」「この機能は良い」というだけの浅い意見になってしまいます。
プロジェクトを回す練習と考える
ベンチマークプロジェクトでは多くのビジネススキルが要求されます。
- 人を巻き込むスキル
- 期待値とアウトプットを合わせるスキル
- 期限内に成果物を仕上げるスキル
などなど。
一見、面白味も少なく、大変な作業になりますが、
自己研鑽だと考えて取り組んで行きましょう。